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花火
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- 2007/08/11(Sat) -
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日本人は花火が好き。日本人は桜が好き。
酒が飲めるとか、皆オープンになれるとか、もちろんのことキレイだとか、ナンパし放題とかいろいろ理由はあるだろうけど。 俺はその共通点を「散る」ことに見出だす。古典に出て来るような「滅びを愛する文化」が未だに日本に残ってる数少ない証明だとも思ってる。 花火で言えば、壮絶な破裂音とともに光り輝き、潔く夜空に消えていくその美しさ。そこに人は無意識に惹かれるんじゃないか。そう思う。 今日は、ある友人との別れの日、という位置付けだった。最悪なことに二人の女の子からデートを蹴られたから、っていう前提があったんだけれど。 空手の道場で仲良くなった子だった。五人兄弟っていう今では珍しい家族構成、更に双子の兄が居るって言う女の子だった。 一言で言えば俺はその子から逃げてた。受験が忙しいっていう御尤もな理由に、道場で好きだった子にフられたって言う隠れた理由の更に裏側に、その子から逃げてたって言う真相があったことを、今なら認められる。 何から逃げてたんだろう。たぶん、その子からの好意と、その子の純粋さから。俺の様な歪んだ打算的な純粋さではなく、少女らしい、それこそ真に純粋な、その純粋さと好意から。俺は逃げてた。 誘われても何とか理由をつけて逃げだし、道場にも行かず、ひたすらに逃げてた。前々からずっとわかってた。多分、好いていてくれてるなんてことは。 今日、なんとかその子に会おうと思った。それも今日の明け方だから笑えない。久々に会ってもその純粋さはそのままで。犬の散歩デートとかいうよくわかんないデートもして。突然自分の奥底に眠る心に気付いた。俺はお前から逃げてたんだ。 虫がいいのは重々承知なんだけど、二週間前、その子が「引っ越す」っていうメールをくれた時、唐突に焦りを感じたんだ。引っ越す事自体より、引っ越す先を聞いてから焦った気がする。 「石垣島」。おいおい、冗談抜きに日本の端っこじゃねーか。下手すりゃ死ぬまで会えねぇかも知んない。 なんとも道化。今日会ってから今までの自分を振り返って壮絶な後悔と寂しさに襲われた。 出会いには必ず別れが来る。そんなわかりきったことが、わかりきったと思っていたことが、俺の心を突き刺した。 それは、花火に似ている。輝けば、必ず、夜に帰る。人と人がいずれ別れてしまう様に。その輝きが消えるかどうかはまた違った話だろうけど。 親父をなんとか説得して花火大会に赴く。道場の先輩と、その子の兄ちゃんと、その子と、俺で。 これで最後とか、そんなん関係なかった。バカ話して、花火見て、かき氷食って、はしゃいで。 花火が美しいのは、散る以前に美しく輝いているから。俺とお前は、散る前にちゃんと輝けていたのかな? 一人の少女を、お前を犠牲にして、俺は誰かを大切にしなきゃいけないことを、たった少し、たった少しだけれど、学べたんだ。「別れ際に嘆くぐらいなら、常日頃から大切にしろ。」そんな簡単な、だけど大事なことを気付かせてくれたんだ。…ごめんな。そして、ありがとう。 さよならなんて言わない。違う、言えない。言いたくない。 俺はお前の友達でよかった。一緒に帰ったこととか、門限破るまで話したこととか、犬の散歩したこととか、遊びに行ったこととか、お前から逃げ出したこととか、お前から好きでいてもらったこととか。全部全部俺の中に残ってるから。 これで友達をやめるなんて俺が許さない。俺が許されなかろうが、絶対に友達をやめてやるもんか。 お前の友達でよかった。本当に、楽しかったんだ。格好悪いこの俺を忘れないで欲しい。 花火に、そして、お前に教えてもらったことをここに綴る。別れる間際に、涙すら流せぬ俺を許して欲しい。 これからもよろしくな。また会おう。約束だ。 |
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