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自由からの自由
- 2007/12/05(Wed) -
 人は自由を追及しすぎると、自由に縛られることになる。

 今日は特別な日になる。

 そう感じたのは朝起きて10分後のコトだった。「今日は学校行くか?」最近毎朝繰り返す様になった自問自答。十中八九そのまま学校に行き、残りの一二で学校をサボる。

 そして、今日は、
 高校生活中のチャンスとしては最後の日だった。

 「学校を休む」ことには、特に意味はなかった。熱や風邪などの抜き差しならぬ理由で休むこともあったし、寝不足や徹夜明けの日に仮病を使うこともあった。丸一日、病魔に苛まれながら、あるいは睡魔に取り付かれながら過ごすその日を、別段嫌っていた訳ではないが、好いていた訳でもなかった。

 ただ、「学校に行かない」という行為には、言い知れぬ魅力があった。学校に行けないから休むのではなく、学校に行けるが、行きたくないから行かない。そこには何かしらの甘美な誘惑があった。

 それをする目的は、甚だ私利私欲に違いなく、川原での黙想であり、公園での昼寝であり、本屋での買物であり、彼女との逢引であった。

 学校に遅刻の連絡をする。それを我が学校では保護者に課しており、生徒からその様な連絡をすることは不可能に近い。更には、学校は保護者に遅刻欠席確認届、またの名を「届簿」というネズミ取り的システムを提供しており、当日の連絡共々それを誤魔化さぬかぎり、学校をサボるコトはできなかった。

 学校在学に置ける約5年11ヶ月の内、約5年9ヶ月はそのシステムに完全にしたがっていた。そして、携帯の復帰とともに、そのシステムを吹っ切ることができる様になった。

 それまで母親に嘘を吐き、容赦ない手口で学校をサボっていたが、当然の如く常習化するほど休むことなどできず、突発的に学校を休むこともできなかった。

 朝学校に行こうと玄関を出る。平然と駅を素通りして川原に向かう。学校に携帯から遅刻の連絡を入れる。その後はご自由にどうぞ。

 毎朝今日の予定を自分に尋ねる。そんな生活は、10月半ばから始まった。

 皆は学校にいる時間にオレはサボって外にいる。その背徳的な楽しみは、やがて量と回数を増した。

 それは、さながら中学生がたむろしてタバコを吸う様に。高校生が塾に行かずゲーセンに通う様に。お父さん達が会社に行かずパチンコに行く様に。お母さん達がお父さん達を叱り付けながらも温泉旅行に行く様に。

 他人にとっての非日常を日常として持っている。そのことに、最初の内はやはり優越感を覚え、やがては劣等感を抱く様になる。

 今オレは、学校に行く気にならないと、学校に行けなくなってる。これは善悪両面あり、自ら来ようと思っただけに何とかして来た意味を見出だそうと授業、委員長としての仕事、そして、友人関係に積極的になれるという利点もある。

 そう、自ら進んで自ら義務を課しているのである。

 学校という義務を享受するか否か毎朝選べる様になった今、両親への罪悪感や委員長としての立場を差し引いても、オレはオレの意思で学校に通っている。

 完全に社会的地位が保証される状況において、人間が自由に溺れ、破滅することは、歴史が語っている。

 それは自由になりすぎたからに違いない。本当の自由とは、自ら進んで自らに義務を課すことのできる人間だと、カントという先人も述べている。自由に自らの立場を操れることこそ、自由だと。

 自由である。何ごとにも縛られない。それを貫こうとすれば、そして、貫いてしまえば、今度はその「縛られない自由」に縛られてしまうことになる。

 あくまで、自由に自分のしたいことをする部分と、嫌なことながら進んで束縛を享受する部分と、折り合いを付けていこう。そう思った。

 学校に行く義務が発生しているのは、試験と式を除けば今日入れてあと三日だった。明日明後日は、休めない。休みたくない。いや、学校に行きたい。

 高校生活最後のサボりは、ある天気のいい、風の肌寒い日だった。
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